■1年目

参考になるかどうかわかりませんが、私の合格までの道のりを簡単に記します。
1年目。受験すると決めたのが3月ごろでした。ネットなどで情報を収集し、仕事をしながらですから、1年では合格しようとせずのんびりやろうと。でも3年過ぎると1年目の合格科目の免除がなくなるわけですから、3年で合格はしたいなと思いました。

学科試験は8月初め。4か月の勉強で何科目通るか。まずは市販の参考書中心。特に問題を多く載せているものを1冊求め、行き帰りの通勤電車で取り組みました。往復約2時間ですからまずまずでしょう。それまではスポーツ新聞や小説、マンガを読んでいた時間です。参考書・問題集は8月までに合計3冊買って一通りやりました。

次に、保育所保育指針を厚生労働省のホームページからダウンロードして、何度も読みました。これは保育の全般に渡って国が詳細に方針をまとめた基準となるもので、ここからよく出題されるのです。重要度第1位といっていいのですが、1年目の私はこれをちょっと軽く考えていて、学習が足りなかったですね。

インターネットからは有益な情報を得ました。先ほど紹介した有料で勉強するサイトは、無料会員にもメールマガジンで問題を出題してくれました(解答と解説は有料会員のみ)。無料で基本問題を出題してくれるコーナーも役立ちました。過去問題を見られるのもありがたかったです(2005年、2006年の問題は保養協のサイトでも閲覧できます)。
無料で基本問題を出してくれるサイトはほかにもあり、また、掲示板では実技試験の体験談などが参考になりました。保育士関連のサイトは、けっこうあります。

これらの基本問題を、寝る前、あるいは早朝、ほとんど毎日のようにやりました。それほど時間はかかりませんし、結局はいかに暗記するかですから、覚えるまで反復練習しかないでしょう。

そして学科試験。受験は会社には内緒で、夏休みをもらいました。試験日2日と前日も含め3日間。もうちょっと事前にほしかったですね。前日は1日目の試験科目だけ勉強しました。結果として、1日目の社会福祉、児童福祉、小児保健、2日目の小児栄養、保育原理の5科目に合格しました。

合格した科目は点数的にどれもぎりぎりくらいでラッキーでした。しかも、掲示板で受験者の試験の感想などを読むと、私が通った科目のうち数科目は前年よりやさしい問題だったようで、重ねてラッキーでした。ただ、保育実習理論は逆にぎりぎりで不合格。
残念でした。感想として、半分通ったのだからよしとしようという気持ちと、すでに書いたように「及び」科目のどちらも片方は合格点をクリアしていたものですから、もうちょっとやれたんじゃないかなという気持ちが交錯して、複雑な気分を味わいました。

■2年目

心も新たに再チャレンジ。といってすぐに勉強できるかといえばそうはなかなかできません。結局、何もせずに年が明けてしまいました。年明け、まず、保育所保育指針の重要なポイントをカセットテープに録音して、通勤電車の中や車の中で聞くようにしました。自分の声をテープで聞くのは恥ずかしいものですが、仕方ありません。安上がりの勉強法ですから。

保育所保育指針については次に、子どもの年齢区分ごとに特徴やねらい、配慮事項といったものが一覧できるノートをつくりました。年齢によって細かいところで記述に違いがあって、それがまた問題につくりやすいのです。さらに単語帳も利用して(懐かしい!)勉強しました。それでもこんがらがってしまって、自信は持てませんでしたね。指針はなかなか手ごわいです。サイトの基本問題も、指針をとくにやりました。

3~4月頃には、全国社会福祉協議会発行の「保育士養成講座」のうちから、再チャレンジする科目の分を購入して読みました。保育士試験のテキストといわれ、この本の内容もよく出題される範囲なのです。ただ、1冊1,890円(2007年発行の場合)ですから全部揃えるとけっこうな金額になります。私の場合は1,890×5=9,450円。ネットオークションに以前の本がよく出品されていて安いのですが、改訂されて中身が変更になっていたらと思うと、手が出ませんでした。まあ、大幅な改訂はないのでしょうが。

社会福祉協議会の事前講習も受けました。幸い土・日に開かれたので、なんとか都合がつきました。1科目1回約3時間。講師は専門の先生ばかりですから、教養としても得るところがありました。1科目集中して3時間勉強するという点でもよかったです。ただ、結果論ですが、科目によっては試験勉強の参考にはもう一つかなというものもありました。これは講師の方の責任ではありません。誰もが思わぬ問題が出題された科目があったためで、その難しさについては試験後、ネットの掲示板でかなり意見が交わされていました。

そして試験。2年目で合格したいという気持ちで、1年目よりは勉強したつもりでしたが、いまふれたように、思わぬ問題にぶつかったときはあせって、ちょっと頭の中が白くなった感じでした。

問題用紙は持ち帰れます。家に帰り、ネットの答え合わせなどをあちらこちら覗いて、ぎりぎり大丈夫とわかったときには、本当にほっとしました。正式に合格したわけではありませんが、一応区切りですから、ひとまず家族で乾杯!我慢していたビールのおいしかったこと。我慢といっても一週間でしたが……。

■実技試験

学科試験の結果が通知されるのは9月下旬ですが、それから実技の勉強をしていたのでは間に合いません。8月半ばからそろそろととりかかりました。試験申し込みで私が選択したのは、「音楽」と「言語」。「音楽」か「絵画制作」かで迷いましたが、ギター可というところにひかれて「音楽」に。歌も移調が可で自分の歌いやすいキーにできます。

ギターには中学時代から親しんでいたのですが、子どもができてから物置へしまい込んでいました。子どもたちも少し成長したので、ちょっとカッコいいところを見せてやろうかなという遊び気分も手伝って。こんなことでいいのかなという部分もありましたが。子どもたちですが、最初は興味をひいたようですが、すぐに関心を示さなくなりましたね。

ギターは試験まで日に1度はさわりました。長い間弾いていなかったので、弦を押さえる指先が柔らかくなっていますから、たくさん練習してこれを硬くしないと痛いですし、いい音も出ません。徐々に硬くなっていくのがわかってうれしかったです。ただ、ギターは家でも練習できますが、家族がいるところでかわいい曲を歌うのは恥ずかしくて、たまにカラオケボックスに行って練習しました。ギターを持ってカラオケボックスに行くのはちょっと変ですけどね。

課題曲の楽譜は、申請書類についているのですが、アレンジを考えたくて、ネットで楽譜を販売しているサイトから購入しました。演奏も一緒にダウンロードできて金額もそれほど高くありません。

もう一つの「言語」。これは当日その場で試験官が年齢を指示しますから、3歳児・4歳児・5歳児の年齢に合わせた話を準備していかなければなりません。義父母に聞いたり、図書館へ行ったり、ネットの書き込みを参考にしたりして、3つの話を選び、だいたい3分でまとまるように脚色しました。

はじめ5歳児向けには落語の「寿限無」でもやろうかと思いましたが、どうアレンジしても3分間で落ちまで持っていくには、相当忙しくしゃべらないと無理なのであきらめました。3分間で話の途中で終わってもいいことになっていますが、できればきれいにまとめたいですから。話の選択に際し、世界中に実にさまざまなお話があることを知り、新鮮でした。なかでも日本の土地土地に伝わる話の面白いこと。テレビアニメの『日本昔ばなし』を思い出しました。

3つ上手に話せるようにするのはけっこう大変で、結局、試験の直前になって、不安だった4歳児向けの話の練習をやめ、3歳児向けの話を、4歳と指示されたときにも演じることに決めました。受験テクニックでずるいといえばずるいのですが、自分では話の面白さが4歳にも十分通用すると思いました。不安なのが3歳児向けの話だったら、がんばって覚え込むか、不安でも演じるしかなかったでしょう。私が選んだ4歳児向けの話は、3歳児相手にはちょっと難しい感じでした。

これらも、カセットテープに吹き込んで、聞きながら合わせてしゃべって練習しました。

試験当日。まずは言語でした。控室にいて演じる話を黙読しているうちに、だんだん緊張してきて、トイレに行ったり、水を飲んだり。私はその部屋で演じる順が1番で、気が小さくてアガリ症の自分としては、初めで幸いだったと思います。名前を呼ばれ席に座り、4歳児対象と指示されましたが、そういう予感があったのか、かえって開き直ったようで、「開始の合図」できちんと題名を告げられ、3歳児向けに用意した話をしました。ゆっくりすぎたようで、もう少しでお話がおしまいというところで3分間が終了。それが心残りでしたが、おおむねできたかなと。終わってからのほうが心臓がばくばくしていました。

音楽まで1時間ほど合間があり、スペースを見つけて静かにギターの練習。歌の練習はやっぱりちょっとやりにくいので、小声になってしまいます。会場では男性自体少ないのにさらに音楽選択でさらにギターとなると、私のほかには……いましたいました、やっとひとり。お互いに健闘を誓い合いました。

ピアノ用の部屋でスペース的にギターは弾きにくかったですが、とにかく、歌声は大きく明るく元気よくを心がけました。一つの曲中、自分でアレンジした後奏でちょっと指が引っかかり、あわてて、それがまた心残りでした。言語より心配でした。

試験勉強をしない暮らしに戻り、11月下旬。不安に思いながら待っていた通知が届きました。「合格」!! 思ったより実技の点が2科目ともよく、かえって「あれ?」と。額が後退してきた中年のおじさんが動物の鳴き声をしたり、ギターを抱えて「さっちゃん」を大声で歌ったり。もしかすると、採点の先生たちが哀れに(こっけいに?)思っておまけしてくれたのかなと……。いや、厳正な資格試験なんだ、おまけなんかない、俺の実力なんだ……。はしゃいで合格通知を片手に小躍りしてしまいました!



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